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【番外】49th Episode――アニメ版『ドルアーガの塔』完結

※注:この記事はアニメ「ドルアーガの塔 ~the Aegis of URUK」および「ドルアーガの塔 ~the Sword of URUK」のネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。

 先頃、アニメ「ドルアーガの塔 ~the Sword of URUK」が最終回を迎えた。
 昨年放映された「ドルアーガの塔 ~the Aegis of URUK」から続くアニメ版『ドルアーガの塔』が、ここに完結したわけだ。

 2006年3月22日、アニメ化の第一報が入った。3年も前の話だ。
 最初はもう、耳を疑うしかなかった。そもそもが『ザ ブルークリスタルロッド』で話は完結しているのに、どこをどのようにアニメ化するのか? また、それを今の世に出して、果たして受け入れられるのだろうか?
 あるいは、自分の大切な思い出が壊されてしまうのだろうか!?

 それからというもの、元々のゲームシリーズのファンとしては、正直気が気ではなかった。
 少しずつ明かされていく情報によると、アニメは主人公ジルとヒロインのカーヤが“塔頂者”として、仲間達とドルアーガの塔を登っていく、というもの。実際このブログの記事でも書いたが(【番外】ついに発表!アニメ+MMORPG「ドルアーガ・プロジェクト」参照)、当初発表された話では「ギルが隠遁する」などさんざんな内容であった。

 やがて輪郭が少しずつ明らかになっていく。
 この中で、ギルが80歳という老いたウルク王として登場すると聞き、いろいろな意味で複雑な気分ではあった。時の流れは当然だし、年を取っても王として健在であるのは、それはそれでうれしくもあった(今にして思えば、それすらじつは後々の伏線だったのだが…)。
 放送直前には「カーヤはカイの血筋を受け継いでいる巫女」なんて設定まで加わり、気分の複雑さは膨らむ一方であった。

 2008年4月、満を持してアニメ「ドルアーガの塔 ~the Aegis of URUK」が放映開始。

 …まあ正直なところ、見たら見たで、ますます気分は複雑化する一方だった。

 やたらと本筋に関係のないギャグが多く、ローパー踊りのあたりはかなり冷めつつあったのも事実。「ドルアーガの塔」という触れ込みなのに、ここまで『ドルアーガの塔』がおもちゃにされていいのか? とも思った(そんな中、ギャグ回の最後にカイが若々しい姿で復活したのには、かなりビビらされたけど)。

 そして塔を登り詰め、ドルアーガを倒したのに、最終的にZAPされて終了。第二期が2009年1月スタート、という驚愕の発表とともに、ひとまずアニメ版「ドルアーガの塔」に幕は下りた。

 この頃はハッキリ言うと、「ドルアーガのアニメじゃなかったら、途中で見なくなってたな」というのが率直な感想。しかも最後は結局物語は終わらず、結末は半年後に持ち越しとなるというのも、ある意味絶望的だった。
 よく言えば、バビロニアン・キャッスル・サーガ(BCS)という既成概念にとらわれない作品であった。悪く言えば、なんでこれがBCS(それも当時は「正統なBCSの後継作品」という触れ込みであった)なんだろう、という思いもあった。

 とはいえ、脚本の賀東招二が第一期が終わった際、原作となるバビロニアン・キャッスル・サーガのファンであるがゆえ、アニメ脚本に苦しんだ心情を吐露していたことが、遠藤雅伸のブログで明かされていた。
  【参考】http://ameblo.jp/evezoo/entry-10108957493.html
 それを考えると、第一期は迷いながら進んできた作品だったのかも知れない。

 そして今年1月からの第二期「the Sword of URUK」

 第一期の頃にあった不安要素が、まるで払拭されていた。あくまで個人的な感想だが、展開に格段に安定感があり、内容が締まっていた気がする。

 先を行く者は塔の頂に何があるかを知り、追う者はひたすらその痕跡を辿る。第一期のような、先に何があるのか何も知らずにひたすら進む、その不安感はない。

 たとえギャグをやるにしても、その内容の濃密さは第一期の比ではない。また、名エピソードとして評判の第七話「常春の館」は、第一期への回帰と決別を司るエピソードでもあり、これを境に物語は物語はクライマックスへ軸がブレずに突き進む。

 そう、第二期は「軸がブレていない」。もはや到達する点が最初から見えていて、そこに向かって全てが計算ずくで繰り広げられる、そんな安定感があったと言える。

 真の敵は「ギルの影」。
 カイと同じく、かつての若き英雄の姿で塔の頂にいる彼は、地上でウルクを治めるギルの本体と同化し、やがてその本領を発揮する…。果たして、誰がギルの影を止めるのか? その時、ギルはどうなる? そして…

 約3ヶ月の放映期間はあっという間に過ぎゆき、かくしてアニメ版『ドルアーガの塔』は完結した。

 個人的には、『ザ ブルークリスタルロッド』で語られた48の結末に並ぶ、49番目のエピソードと呼んでもいいと思う。
 アニメにはアニメの主人公やヒロイン、名脇役の数々がいる。その彼らが主軸となり、物語を紡いでいくのは当然の話だ。
 その中に、“本来の”主人公であったギルやカイを出したのである。これは諸刃の刃どころではない。使いかたを間違えば、どちらかが確実に存在感を消されてしまう。

 だが、このアニメではギルとカイにはギルとカイの、ジルやカーヤたちにはジルやカーヤたちの、それぞれの考え方と主張を際立たせることが出来たと思う。だからこそ、「ギルの影」が新たなる英雄達に倒され、ギルとカイはようやく神として天に迎えられるという結末は、49番目のエピソードに値するものだと個人的に思った。

 もしかしたら、賀東さんが吹っ切れたのかもしれない。
 「正統後継な続編じゃなくてもいい」と思ったからこそ、ようやく自分の思いどおりに物語の道筋を付けられたのかもしれない。
 結果として、第二期は細部に消化不良な点は残ったものの、グイグイと引っ張る迷いのないエネルギーに満ちあふれており、迷い無く終わることが出来たと思う。

 なんでも今回の放映に間に合わない部分もあり、どうやらDVDでは書き足される部分も出てきそうなので、それが世に出た時が本当の意味での完結、なのかな。
 とくに「ギルの影」に深手を負わせたウラーゴンが、最終話まるまる登場しなかったというのが個人的にショックだったけど、そこはDVDで何か書き足されるかもしれない…とのこと。GyaOジョッキーでファンによるチャットと同時進行で最終話を見たけど、やはり「ウラーゴンは?」という意見も多かったし。

 『ドルアーガの塔』というゲームをもって、バビロニアン・キャッスル・サーガが世に出てから、25年。

 『ザ ブルークリスタルロッド』をもって、バビロニアン・キャッスル・サーガ正史が完結してから、15年。

 そして今年、ここにバビロニアン・キャッスル・サーガに、また新たな1ページが加えられた。

 案外15年ぐらいしたら、新しいサーガが、新しいBCSの世界が、また生まれるのかも知れないね。

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コメント

はじめまして、Tといいます。

GILさんはゲーム好きなんですね。
インベーダー時代からやっているとのことで。
私はアーケードはやった事ないんですが、GB版のヤツをやった事があります。
途中ブランクはあったんですが、昔から現在までずっとゲーム大好き人間です。

私もサイトを運営しているのですが、「良いサイトだな」って思ったので勝手ながらリンクさせてもらいました。
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では。また遊びに来ますね。

投稿: | 2009年10月15日 (木) 23時53分

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